産業用ポンプ・産業用機械 用語解説
産業用ポンプや各種産業用機械に関連する用語を解説します。
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アキュームレーター
エアーチャンバーと同種のもので、構造的に隔膜を介してガス体を封入し、半永久的に効力を持続させるタイプ(隔膜を介さなければ、液体中に溶け込んでなくなり、定期的に補充が必要となる)。
アブソリュート(絶対圧)
大気圧を基準とした圧力をゲージ圧といい、真空を基準とした圧力を絶対圧という。絶対圧=大気圧+ゲージ圧。
安全弁(リリーフ弁)
圧力上昇時にポンプや配管保護のため、圧力を逃す部品。
暗騒音
ブロワーなどを運転する際、回転などによる機械音が発生するが、そういった特定の音を除いた音のこと。
ウォーターハンマー(水撃現象)
ポンプによって流体は上へ上へと持ち上げられるが、ポンプ停止した時点で、流れは下へ加速されて流れはじめ、衝撃力を強めていく現象。対処法としては、無水撃チェッキの取り付け、緩衝タンクの取り付け、フライホイールの取り付けなど。
エアーチャンバー
とくに往復動ポンプ(ダイヤフラム・プランジャーポンプ)の作動時に、脈動現象が発生するが、それにより定量性がなくなり、振動が起き、騒音も発生する。この現象を取り除く処置として、エアーの伸縮性を利用する付属部品。
エジェクター
高圧の流体をノズル噴射することで吸引側が負圧になり、真空を得る。この力を使って別の流体を移送する装置のこと。逆に真空から吸い上げた溶液を昇圧することをインゼクターといい、両者を合わせてジェットポンプという。
NPSH
Net Positive Suction Headの略で、有効吸込ヘッドと訳される。ポンプの運転上、キャビテーションを発生させないため、ポンプ固有の値(必要とするNPSH:Required)とポンプの配置などによって決まる値(利用し得るNPSH:Available)がある。
エロージョン(erosion)
流体物による磨耗が原因の構造物腐蝕・侵食作用。
オイルバス
ポンプの軸受部をグリース潤滑させるものに対し、軸受をオイルに浸した状態をいう。軸受部の寿命をのばす。
加圧浮上
用廃水処理において、とくに油脂分の多い液に対して、ミクロの泡をタンク底部より供給し、水面上へSSとともに油脂分を浮かせて処理をすること。
架台(防振架台)
機械を運転した際に起きる振動を防振ゴムを介して吸収させ、床、ベース、配管の保護をするもの。
カニゼンメッキ
鉄・鋼・銅・黄銅・青銅・アルミニウムなどの製品に、硬くて厚さが均一でしかも耐蝕性のよいニッケル−リン合金のコーティングをする技巧。
※KANIGEN:Catalytic(触媒的) Nickel(ニッケル) Generation(生成)の頭文字をとってCA(KA)-NI-GEN。
逆浸透膜装置(RO)
半透膜を介して溶液と溶媒を分離した状態にする装置。溶液に圧力をかけて浸透性を高め、溶媒を通過させる。主に海水の淡水化装置に使用。
キャビテーション
発生原因は吸込揚程によって決定されます。
羽根の入口では種々の理由から負圧が発生しますが、水が羽根に流入する際、これだけの負圧を大気圧から差し引いて、なおかつ蒸気圧まで低下しないようにポンプが吸込口でどれだけの圧力を保持するかが重要となります。
負圧と吸込み口での押し込む圧力が一致した場合、バリバリ音や振動が伴い、予定の流量が出し得ず、効率は低下し、羽根車その他の部分に腐蝕が進行し、運転不能になります。
強酸
業界一般には、接液する素材を浸蝕していく強い酸性液のこと。硫酸、塩酸、硝酸、クローム酸、金以外の素材を浸蝕する王水なども強酸である。
凝集剤
用廃水処理において、懸濁物の沈降分離によって清澄水を得るため、原水に加えてフロッグを形成させ、懸濁物の沈降を容易にする薬品(ポリ硫酸鉄、塩化第二鉄、高分子凝集剤など)。
限外濾過(UF)
ウルトラ・フィルトレーション・システム。高分子化合物からなる半透膜を用いて、加圧や減圧をおこない、比較的大きな分子を濾過する。
固液分離
液体と固形物を分けることで、おおむね脱水設備を指す。
ゴムライニング
腐蝕性液に対して耐腐蝕性を持たせるために、ポンプ、タンク、撹拌機の接液面にゴムを貼り付ける技巧。
コロージョン(corrosion)
流体物による化学的反応が原因の構造物腐蝕・侵食作用。
差圧
読んで字のごとく圧力差のこと。一般に、ポンプ・送風機などの選定にあたっては吸込圧力と吐出圧力差のことで、正確な実揚程を求め、正しい選定をおこなうために必要な数値である。
サイフォン現象
本来流体を低所から高所へ移動する場合、ポンプなどの機械を介しておこなわれるが、山なり配管になっている現場では、ポンプを止めても流体が流れ出る状態になる。これをサイフォン現象という。
サージング
ブロワーにおいてしばしば問題になる現象。山型の風圧曲線を有するブロワーがPC、VCで運転中、使用風量がV1に減少した場合、空気槽の圧力はさらに上昇しようとするが、ブロワーの吐出圧力はPC以上になり得ないので運転点は急速にP0点に移り吐出ゼロとなる。その結果、空気槽の圧力が低下。これがP0以下になれば、運転点が突然P2に移り、吐出風量V2は使用風量V1より大きくなるため、運転点はP2からPCにいたり最初に戻る。このサイクルを繰り返す。このように平衡な運転が保持されず、風量・風圧がかなり規則正しく周期的変動を起こす現象をサージングという。振動と音響を伴うが、キャビテーションとは別物である。
隙間腐蝕
構造物が腐蝕液に接しているとき、隙間の中で酸化剤が腐蝕反応によって消費されれば、その後酸化剤の外よりの補給は外表面より遅れることになる。隙間内部と外部とで電気的絶縁がない場合、酸化剤濃淡電池が形成され、陽極部の酸化剤内部の腐蝕が進む。対応方法は陰極防蝕法である。
スクラバー
液体を利用してガス中の浮遊する固体または液体粒子を捕集する装置。液体は普通水を使う。
スラッジ
処理水中または廃水の液体から分離した凝集物質。河川の水底の沈殿物ならびに化学的処理後の沈殿物。
スラリー
微粉末状の石灰や金属鉱石が水に混ざって、どろどろ状態になっているもの。ポンプにおいては接液する素材を時間経過に伴って摩滅させ、機能低下させる原因となる。現在、耐磨耗材質もいろいろと開発されているが、種類も多く、スラリー濃度、スラリー粒径によっても対応が異なる。
静圧
シロッコファン・ターボファン・ターボブロワーの性能を表わす単位で、静圧と風量で機種選定をおこなう。
精密濾過(MF)
マイクロ・フィルター。ミクロン単位の粒子を除去。加圧することでフィルターを通過させ回収。カートリッジフィルターと同類で、限外濾過や逆浸透の前処理として使用。
損失水頭
流体が流れることによって生ずる摩擦抵抗値。ポンプ選定にあたって実揚程に加えるべき数値。配管、バルブ類、ストレーナー、フィルターを通過する際に、口径に対して流れる量、ならびに速度によって変化する値である。また、流体物の粘度によっても大きく異なってくる。
大気圧
生活環境下での圧力(0.1MPa)。ポンプ、ブロワーなどの選定上の条件として使う。
脱水ケーキ
脱水機によって固液分離されたケーキ状の固形物のこと。
テフロンコーティング
腐蝕性液に対して耐腐蝕性を持たせるため、ポンプ、タンクに貼り付けたり、溶着させる技巧。
電位差
その名の通り、物質間の電位の差。たとえば、海水を移送するポンプなどで、電蝕という腐蝕現象が出る。電解質である海水が異種金属で構成するポンプでは金属の持つ電位の違いで、電気分解を起こし、腐蝕させるのである。
ドライ真空ポンプ
真空ポンプは、一般に油潤滑式(油拡散)と水封式(ナッシュ)が多く、油、水を媒体として真空度を上げるのに対し、媒体液を使わないものをドライ真空ポンプという。クリーンな真空ポンプとして最近は需要が多い。
ノルマルヘキサン
パラフィン族炭化水素系で、油脂類、油類、グリース類を主に表す。
背圧弁
サイフォン現象やオーバーフィード現象を防ぐため、ポンプの吐出側に設置し背圧をかけて、ある一定の圧力まで上がらないと液が流れないようにするもの。
HACCP【ハサップ】
(危険分析重要管理点)
「Hazard Analysis & Critical Control Point」の頭文字をとったもの。ハサップ、ハセップなどと呼ばれる。食品の製造・加工の各工程において重要なチェックポイントを定め、そのポイントを管理することで、安全性を確保するシステム。多くの食品メーカーが、厚生労働省から認証を受けている。
バフ
ステンレス材を鏡状に磨く工法。ポンプにおいてはサニタリー仕様に多く使われていて、基本的に清掃しやすくコンタミの解消にもなる。
ブロワー
翼式のものとルーツ式のものが一般的で、主に空気ガス体を移送し、用廃水処理では曝気装置として使われる。紛粒体のエアー移送にも。
飽和蒸気圧
液体の温度が上昇し、気体化しはじめる温度を圧力として表した言葉。
見掛け比重
固形物の持つ真比重に対し、液体と混合させたときの比重。wt%(ウエイト%)、V%(ボリュート%)によって数値が大きく違ってくる。
メカニカルシール
ポンプの主軸に装着されるシール方式。回転環と固定環のふたつのシール材が合わさることで液漏れを防ぐ。
メカニカルブースターポンプ
2軸の無接触ローターで構成され、主に高真空を短時間で得るために装備されるポンプ。
濾過面積
脱水機のうち、フィルタープレスの濾過板の面積のこと。処理する汚泥の量に対して、回収するケーキ量を満足させるためにどれだけの面積が必要かを計算し、脱水機の大きさを決める。